お墓の仕上げ工程に使われる用語を解説します。
- 挽き肌(ひきはだ)<sawed finish>
- 石材をのこでスライスしたままの表面のことをいいます。
- 粗磨き(あらみがき)<rubbed face>
- 別名「荒擦り(あらずり)」ともいいます。のこ目を消す程度まで磨いた仕上げのことで、小口や目地底など部分的に用いられることが多いです。
- 水磨き(みずみがき)<honed finish>
- 光らない程度まで磨いたもののことです。仕上げの程度に幅があり、研磨跡が残ることもあって、本磨きよりも難しいものです。軟らかい雰囲気が出るが、外装では汚れが目立ちやすいという特徴があります。
- 本磨き(ほんみがき)<polished finish>
- 光沢が出るまで研磨する最終仕上げをいいます。石本来の色がはっきりと出て美しいが、床に使うと濡れたときに滑りやすかったり、映り込みが嫌われたりします。
- ジェットバーナー<flamed finish>
- みかげの表面を加熱して結晶粒をはじけさせた粗面仕上げをいいます。スラブをコンベヤーで送り込み、散水するとともにガスバーナーで表面を焼いて処理します。そのままだと尖った角が残るので、ブラシで軽く研磨した「ジェットアンドポリッシュ(J&P)」が一般的です。深みのある表情に加えて、床では滑り止め効果が期待できます。まれに、ライムストーンや大理石でも用いることがあります。
- ウォータージェット
- 超高圧水で石の表面を荒らした仕上げをいいます。普通はジェットバーナーと組み合わせて使い、凹凸をはっきりさせます。粗面でありながら、磨きのような濃い色に仕上げることができます。とくに暗色のみかげでは効果が大きいです。
- サンドブラスト<sand blasting>
- 珪砂を吹き付けて石表面を細かく目粗しする仕上げをいいます。珪砂の代りにガラス粒を使うビーズブラストもあります。大理石やライムストーンが主な対象となるが、みかげのなかでも錆石はバーナーの熱で変色してしまうため、この方法が採られています。
- 割り肌(わりはだ)<split face>
- 石を割ったままの仕上げをいいます。インド砂岩やスレートは劈開(割れやすい性質)のため容易に「割り肌」が得られますが、みかげや大理石は簡単に割れないため、薄くて面積の大きな製品は造りにくいという特徴があります。
- のみ切り(のみきり)<chisel finish>
- 石表面をのみで叩き、粗い凹凸にしたもの。現在はほとんど職人がいないため大面積の処理は困難。
- びしゃん<bush hammered finish>
- ハンマーの先が細かい碁盤目状になった「びしゃん」で石表面を叩き、斑点状の粗面模様を付ける仕上げ。圧縮空気で動く「機械びしゃん」も使用される。