お墓の設計工程に使われる用語を解説します。
- セメント目地(せめんとめじ)<mortar filled joint>
- 湿式工法で用いられるセメント系の目地をいいます。湿式工法では石の荷重を下部に伝え、水分を発散させるという役割が目地に求められ、セメントや石灰、砂などの混合物を目地に詰められます。
- シール目地(しーるめじ)<sealant filled joint>
- シーリング材を打った石目地をいいます。現在はほとんどがこのシール目地で、幅6〜10mm、使用材はポリサルファイドまたは変成シリコーンが多く、室内の水がかりにはシリコーンが適当です。
- 眠り目地(ねむりめじ)<dry butt joint>
- 石を突合せにして間隔を開けない目地のことです。ねむりといってもゼロタッチではわずかな動きでも石が欠けるので、実際には0.5mm程のビニルフィルムなどをはさんだ目地にしています。
- オープン目地
- 乾式工法の壁で用いる開放したままの目地をいいます。乾式工法では石が一枚ずつファスナーで保持され、さらに止水は躯体面でおこなわれるため、目地の役割が少なく、シール目地から生じる汚れを嫌ってオープンにすることがあります。
- 江戸切り(えどきり)
- 目地際を一段掘り込む加工方法です。陰影が付くため石の厚さが表現できます。淀切り(よどきり)ともいいます
- 合端(あいば)
- 石どうしが接する端部の表面近くの部分をいいます。もともと間知石などの厚い石では表面近くだけ整えたためこの言葉が残っています。対して、奥の部分は「二番」といいます。
- 小段(こだん)<rebate ends>
- 石材の出隅に段を見せる方法です。一方の石の裏を削り込んで薄くし、もう片方の石に乗せかけて取り付けます。二本の稜線がきりりとした感じを醸し出します。
- 羽目(はめ)
- 壁石のことです。
- 敷石(しきいし)
- 床石のことです。
- 吊り石(つりいし)
- 天井面など上部から荷重を支えられる石をいいます。
- 力石(ちからいし)
- 荷重を支えるために石の裏面に接着した石片のことをいいます。
- 根石(ねいし)
- 最下段の壁石のことです。物がぶつかって割れる可能性があるため、乾式工法の場合でも根石だけ「全とろ」とすることが多いです。
- 笠石(かさいし)<coping>
- 石の笠木をいいます。ただし石巾木を「巾石」といいません。