弔事では、さまざまな場面で挨拶を行うことになります。日頃のそれとは異なり、弔事独特の決まりなどもありますから、注意しなければなりません。
ここでは、弔事のさまざまな場面で行う挨拶の具体例をご紹介していきます。
お悔やみの言葉
喪主や遺族への言葉は、なるべく簡潔にしましょう。
「このたびは、ご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」
「天寿を全うされたことと思いますが、やはり残念です」
「知らぬこととは申せ、お見舞いにも伺わずに失礼いたしました」
弔問客への挨拶
忙しい中を参列していただいたお礼を簡潔に述べます。
「お忙しい中、お弔い下さいましてありがとうございました」
「生前には格別のご温情いただきまして、御礼申し上げます」
通夜終了後の挨拶
通夜ぶるまいの前に喪主が参列者にお礼を述べます。
要点は以下になります。
@弔問に対するお礼 A故人の生前についてのお礼 B葬儀の案内 C通夜ぶるまいへの招待
通夜ぶるまいの挨拶
列席者が遠慮して帰れないことがないように、最後にいうようにしましょう。
葬儀・告別式の案内を口にしてもかまいませんが、「時間があれば」というニュアンスを含めることを忘れないようにします。
弔辞
弔辞は巻紙に薄墨で書きますが、これには涙で墨が薄くなってしまったという意味が込められています。
内容は、故人との思い出のうち印象深いものにするのが一般的ですが、それを故人を貶める(おとしめる)ような話ならもちろん、故人とあまり関係のない話や長すぎる話は避けます。また、忌み言葉には細心の注意を払いましょう。
告別式終了後の挨拶
喪主または遺族の代表が、参列のお礼として挨拶をします。 要点は通夜終了後の挨拶とほぼ同じですが、最後に参列者に遺族への変わらない支援をお願いするのがよいでしょう。
いろいろな忌み言葉
忌み言葉とは、使うことを忌まれている言葉です。弔事では、言葉を重ねたり繰り返して使うことは「死が重なって起こる、再び来る」ことと重なるためタブーとされています。
- 重ね言葉
- 「ふたたび」「まだまだ」「近々」
- 継続や再来を意味する言葉
- 「続けて」「今一度」「追伸」
- 悪いことを連想させる言葉
- 「大変なことに」「とんだことに」
- 苦しみや死を連想させる言葉
- 「四(し)」「九(く)」
- 死を直接表す言葉
- 「死亡」「生きているころ」
- 宗教による禁句
- 仏式:「迷う」「浮かばれない」
神式、キリスト教式:「供養」「成仏」「冥福」